佐武流山周辺
ワルサ峰
(1870m)、
佐武流山
(2191.6m)
2016年6月4日 カウント:
所要時間 4:47 佐武流山登山口−−5:17 林道−−5:38 林道合流−−6:10 林道を離れる−−6:18 檜俣川渡渉 6:31−−8:05 ワルサ峰−−8:30 県境稜線−−9:12 佐武流山 9:58−−10:31 県境稜線を離れる−−10:58 ワルサ峰−−11:54 檜俣川渡渉 12:14−−−12:32 林道−−13:00 林道合流−−13:25 林道を離れる−−13:46 佐武流山登山口
場所
長野県下水内郡栄村/新潟県南魚沼郡湯沢町
年月日
2016年6月4日 日帰り
天候
晴
山行種類
一般登山
交通手段
マイカー
駐車場
登山口付近の路側に駐車可能
登山道の有無
あり
籔の有無
無し
危険個所の有無
檜俣川が増水していなければ無し
山頂の展望
東側が開ける
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリック
してダウンロード
コメント
秋山郷から登山道を往復。朝の気温は低いが日中は気温が上昇し虫が多い。ズボンにはダニがかなり付いた
佐武流山登山口。国道終点より手前。終点も登山口
大岩歩道と呼ぶようだ。でも大岩山へは通じていない
駐車場は無く路側に駐車
登山道は明瞭だが草が被る
この付近は草の被りが多い
林道を横断する。この林道を右に辿る方がいい
林道に合流。右に進む
林道の状態は良好
国道終点からの林道と合流
西には烏帽子岳
月夜立岩
ここから林道を離れて檜俣川へ下る
明瞭な標識あり
小さな沢沿いに下っていく
檜俣川の渡渉点。滑らかな一枚岩で裸足にやさしい
上流側。飛び石で渡れそうだが濡れた岩でへつり不能
下流側も渡れそうだが岸は岩壁で移動不可能
対岸の道はさらに良好
1270m。唐松植林帯
標高1560mの物思平
イワカガミが満開状態
猿面峰。北から見ると佐武流山より立派
1630m付近から見た大岩山、月夜立岩
1760m付近
振り返れば烏帽子岳
1780m峰から下る
前後して登った男性
ワルサ峰山頂
ワルサ峰から見た西側半分
ワルサ峰から見た東側(クリックで拡大)
石楠花が満開
佐武流山へ向かう
県境稜線へ出た
県境も刈り払いは完璧
標高2010m付近の坊主平
稜線の東側は樹林が開けている
稜線東側の展望(クリックで拡大)
尾瀬の山まで見えている
奥日光の山々も
もうすぐ佐武流山
樹林の隙間から白馬岳が見えた
佐武流山山頂
白砂山方向は刈り払い無し
佐武流山から見た東側の展望(クリックで拡大)
帰りがけに見えた猿面峰
檜俣川近くでデポされた渡渉用の靴
登山口到着
佐武流山は過去二回登ったことがある。最初は残雪期に野反湖から往復。2回目は残雪期末期に赤湯温泉から夏道を往復した(この時は猿面峰が目的地だったが)。そして今回はワルサ峰を目指す。ここは地形図記載の山ではなく山名事典記載の山で、秋山郷から開かれた夏道の途中にあるピークだ。せっかくなので時間と体力に余裕があれば佐武流山まで足を伸ばすことにした。今年は残雪が少なかったので、この時期ではもう雪はないだろうと予想した。また、早い雪解けで檜俣川の渡渉も容易だろうが、ネットの記録では水が多くない時期でも靴を履いたままでは無理そうなので長靴を持っていくことにした。西ノ岩菅以来の登場だ。
出発当日の金曜日の夕方に奥志賀〜秋山郷へ抜ける雑魚川沿いの林道が開通することをネットで確認したので志賀高原経由で向かう。長野市からなら飯山経由より断然近くなる。高度を上げると寒いくらいであるが、当然ながら道路沿いで雪が残っているところは皆無だった。屋敷集落や鳥甲山登山口へ向かわず切明温泉方面へと下る道に入り、雑魚川を橋で渡り、大型連休中に障子峰へ登るときに利用した林道入口を通過し国道405号線の終点へ。ここから続く林道を行けばいいのだが、ネットの記録によると国道を和山方面に戻ったところにも登山口があると言う。国道終点には特に佐武流山登山口を示すものは無く、この先の登山口がメインなのかと思ってそちらに車を進ませた。登山口はすぐに分かり、案内標識と登山ポストがあった。駐車場はないが路側が膨らんだ場所があり容易に駐車可能だ。ここまで来ると夜は寒いくらいで快適に仮眠できた。
快適すぎたことと今週は残業の連続で予定より1時間寝過ごしてしまいAM4時に起床。急いで朝飯を食って出発だ。今日も好天で暑くなりそうなので防寒具は持たず長袖シャツとゴアを防寒具として麦藁帽子を持った。「強制風冷」用の扇を探したが見つからず、先週の山のどこかで落としてしまったようだ。残念。
登山道は笹は広く刈り払われて体に触れることはないが、草が生えて道を覆っている。さほど朝露に濡れていないので支障は無いが、派手に濡れている場合は防水性が弱い靴だと水が染み込みそう。最初はグングン高度を上げて台地上に出るとほぼ水平移動になる。周囲は藪に覆われているが植生は植林。手入れしている様子は見えない。
林道が出現するがこれは地形図の林道とは違うようで登山道は林道を横断して別ルートで続いている。しかし帰りに分かることだが、登山道を進むよりこの林道を右に進む方が正解だ。登山道の草の被り方はこの先は一段階酷くなる。
次の林道が地形図の林道で、檜俣川へと下る道に入るまでは林道歩き。良好な路面で今でも使われているのは間違いない。国道終点からの林道と檜俣川沿いに上がっていく林道の合流地点に標識が立っているが、私がやってきた林道の方に「和山」の案内が出ていた。
さらに林道を進むと明らかにグレードが落ちて入る車の数が少ないことが分かる。尾根を回り込むと右に下る細い道が登場、佐武流山の案内標識が立っている。ここが檜俣川への下り口だ。
小さな沢沿いに下っていくと檜俣川が登場。対岸までロープが渡してあるがネットの記録で見たように橋はない。水量はそれほどではなく、上流側、下流側とも場所を選べば飛び石で渡れそうな場所が見られるが、イヤらしいことに上流側/下流側とも崖や濡れて滑りやすい急な岩場でへつることができそうにない。高巻きしても川の量岸が崖状の場所が連続し河原へ下るのが難しそうで、素直にここを渡るしかなさそうだ。渡渉個所は表面が滑らかな一枚岩なので裸足で歩いても痛い思いをすることはなさそうだが、せっかく長靴を担いできたので履き替えて川に入る。川幅は狭く水に足を突っ込んだのは三歩だけ。水深は足首のちょっと上くらいで、登山靴を履いたままでは靴の中まで浸水するのは確実だが長靴なら進水皆無。川幅が狭いのでちょっとした丸太を渡せば靴のまま渡れそうなのだが。
長靴への履き替え時にズボンを確認すると10匹くらいのダニが張り付いていた。もうそんな時期か。どこで張り付いたのか、あるとしたら林道に出るまでに草ぶれた登山道くらいしかない。足回りを慎重にダニチェックをしておく。ついでに虫除けも塗った。これから気温が上昇すると虫が多くなるだろう。
対岸で長靴を脱いでブナの裏側に隠して先に進む。川を越えた先の方が登山道の状態がいいように感じる。これは尾根が北向きになって日当たりが悪くなり草の生え方が弱くなったからだろうか? こちらも唐松植林だが手入れされているようには見えなかった。標高1560mでは傾斜が一時的に緩んで「物思平 ワルサ峰まで60分」の標識が登場する。
物思平より先で明瞭な尾根に乗ると大きなネズコやシラビソが尾根上に立ち並ぶようになる。相変わらず道は良好でイワカガミや石楠花の花が見られる。それまで人の気配はなかったが突如として背後に人の気配を感じて振り向くと単独の男性が接近中。それまで人の姿は後に見えなかったので私より速いペースで登っているのは違いない。距離がさらに詰まったタイミングで道を譲る。急いでいるわけではないので相手に合わせてペースアップする必要はない。男性はちょっとずつ距離が開いたが最大で200mほどまでで、姿が見えなくなるほどではなかった。
傾斜が緩んで最初のピークは1780m峰。樹林の隙間から右手には、雪崩に磨かれた岩壁を纏う猿面峰の姿が凛々しい。ここからでは佐武流山は手前の県境稜線に邪魔されて見ることはできない。
フィックスロープが垂れる急斜面を下って鞍部へ。登り返したピークが本日の目的地であるワルサ峰だ。ここで初めて樹林が開けて展望が得られる。開けているのは主に東半分で、おそらく豪雪地帯で雪庇が遅くまで残る影響だろう。今年は雪のかけらも見えないが。樹林の高さが低くなっているので西側も隙間から見通せるが、霞んでしまって後立山北部がかろうじて見える程度だった。
先行する男性はここで休憩せずそのまま先に進んだようだ。私もまだ疲労はさほど感じないし、ここで下山しても登山口へ到着するのはお昼前だろう。せっかくなので佐武流山まで足を伸ばすことにした。
ワルサ峰を境にして尾根の東側は開けた場所が多くなり、西側の木の高さは低くなって一気に明るい雰囲気になったのはいいが、太陽が直接照り付けて暑いくらいだ。こんな時のために麦藁帽子があるわけで、ザックの後方で今まで出番がなかったが本来の居場所である頭の上に乗せる。今の時期の方が残雪期よりは日焼けしにくいだろうが、麦藁帽子を被れば顔だけでなく首筋が焼けるのも防止できる。
ピークを2つ越えると県境稜線に合流する。こちらも前回歩いたときと同様に刈り払いは完璧だ。長年この状態を維持するのは大変な労力がかかっているだろう。ご苦労様。水場の案内があるが、今日は補給するほどではないので山頂に向かう。
県境稜線も東側が開けた場所が多く、高度が上がると遠くの山々まで見えるようになる。しばらくは山岳同定ができなかったが、尾瀬の燧ヶ岳を判別できてからは位置関係から芋づる式に同定できた。一番左に見えているのが越後三山で、続いて小沢岳、下津川山、平ヶ岳と続き、燧ヶ岳との間に小さな尖ったピークは景鶴山に違いない。至仏山、尾瀬笠ヶ岳と続く。そしてその裏側には奥日光の山々。これも日光白根を起点として芋づる式だ。3県境の黒岩山の平たい山頂部もいい目印。皇海山はこの方向からだと端正な三角形に見える。奥日光の手前の低く見えるピーク群が上州武尊。尾瀬の山々の手前が谷川連峰で大源太山から平標は分かるが、その東側は重なり合って判別不能。ただし巻機山からジャンクションピークは横並びで見えている。これだけ見えれば大満足だ。
山頂までもう少しというところで、先行していた男性が小休止中。休むには微妙な場所だったが理由があるのだろうか? 2090m付近で猿面峰へ繋がる尾根が分岐するはずだが、背の高い根曲がり竹で先の様子は全く見えなかった。私が登ったときは残雪期だったから、この藪は全く漕がずに済んだ。
さらに緩やかに登っていき、刈り払いの終点が佐武流山山頂だ。最初に登ったときにあったGWVの山頂標識は2回目に登ったときには無くなっていたが、今回は木の高い場所に無いか探したが見当たらず。もう20年前の話だからなぁ。山頂からも東側の展望が開けている。暑いくらいなので木陰で休憩。もう虫が多く体を動かしていないとすぐに寄ってくる。刺す虫も混じっていて足を数個所やられてしまった。濡れタオルで皮膚の露出した部分の汗を拭って虫除けを塗った。
休憩中に男性がやってきた。山頂では休憩せずに立ち話をして苗場山方面へと向かった。なんと秋山郷を起点にして佐武流山〜苗場山の周回コースとのこと。佐武流山日帰りでもきついコースなのに苗場山までとは恐れ入る。でも刈り払いが続いているはずだから体力さえあれば大丈夫かな。今の時期は日が長いし。私の方は山頂でのんびりしてから下山開始。
この時刻になると登ってくる人の姿をチラホラと見かける。県境稜線からワルサ峰への分岐ではパーティーが休憩中だったが虫が凄かった。やはり気温が低い時間帯に高度を稼いだ方がいい。ワルサ峰を越えればあとは日陰に入るので麦藁帽子を脱いで頭が少しだけ涼しくなった。
檜俣川でデポした長靴に履き替えて渡渉。パーティーのものと思われる沢靴がデポされていたが、長靴なら中に浸水しない水深なので足が濡れなくていい。でもこの暑さでは足を沢水で冷やしたくなる。代わりに濡れタオルで全身の汗を拭いてさっぱりしてから歩き出す。ズボンのダニチェックをしたが帰りは付いていなかった。
林道までの上りは暑かったが汗をかかないようゆっくりと登る。林道に出てからは再び日向になったので麦藁帽子を頭に移動。すれ違う人はなく無人の林道を歩き、往路と同じく国道終点ではなく右の林道へと入った。周囲は煩いくらいのハルゼミの大合唱。気温的には真夏に近い。
登山口に到着したが車は私の1台のみ。すれ違った登山者は宿の送迎の車でやってきたか、それとも国道終点から出発したかのどちらかだろう。先ほどの渡渉で汗を拭いてきて、それ以降は汗をかかない程度の運動密度に抑えて歩いたので、そのまま着替えて車の中で仮眠。なにしろ睡眠時間が4時間以下で歩いたので眠い。日影で安静にしていれば快適な気温だった。
まとめ。このコースは最初から最後まで登山道があるので一般登山である。檜俣川の渡渉が必要なことだけが特殊事情だが、雪解け時期や雨の後でなければ安全に渡れる水量だろう。でもこの時期は虫が多くて快適とはいいがたい。秋の紅葉シーズンが最高の季節となろう。
都道府県別2000m未満山行記録リストに戻る
2000m未満山行記録リストに戻る
ホームページトップに戻る